出産までの詳細日記。6月4日【後編】
NSTから 赤ちゃんの心臓の音は 元気よく 聞こえている。
救急患者用の入り口には すでに コロ(車輪)がついたベットと 白衣の看護婦さん数人が 待っていてくれた。
私は 担架から コロ付きベットへと 「いちにのさんっ」で 移動させられ ここで ○川産婦人科から ずっと 体を預けていた クッションから 体を離されてしまった。
究極な環境の変化を強いられると どんな時でも 少なからず 落ち着かない。
ましてや この状況。
クッションから 体を離された途端 体が ガタガタと震えだしてきた。
怖い。もう なにもかもが とても怖い。○川産婦人科の助産婦さんの ピンクの制服だけが 心の拠り所となる。
病院から ずっとずっと 手を握ってくれている○川産婦人科の助産婦さんの手を更に更に更に きつく握り締めてしまう。
余談ですが この 体の震え、俊輔を目の前にした時以来の 震えだよ。私に とっての 中村俊輔、帝王切開並みに 怖ろしいって事なのか(笑)
下らない話は おいて置いて、
コロ付きベットは 救急患者用の入り口を入ってすぐの 大きな倉庫の様な 天井が高い広い部屋(もちろん 清潔で 綺麗な所です)へと移動した。
倉庫の様な 広い部屋には よくドラマで見るような 手術用の 天井から吊られた照明と 2Dエコーが用意されていた。もしや ここで すぐ手術なのか??旦那さんは どこ?部屋の外?もしや まだ ○川産婦人科で 荷物の整理をしてたりして??あーーーー あんなに CDだの 本だの 余計なものを沢山 病院に持って行かなければ 良かった。手術の前には 一目でいいから 旦那さんの顔が見たいーーーー。
「アレルギーはありますか」「過去に薬でアレルギーを起こした事はありますか?」「この同意書にサインしてください」「この書類に代理で私がサインしてもいいですか?」
沢山のお医者さんと看護婦さんが 入れ替わり立ち代り 私に質問をする。
何度も同じ 質問をされ
「さっきも 聞かれたのになー」と ガタガタ震えながらも 考える。
沢山の看護婦さんに バタバタと 採血をされたり 点滴を入れられたり サインをさせられたり。。。
『流石 大病院、随分 沢山の人がいるんだなー。』などと ぼやーーーーっと考えていたら
たぶん この人が 私の執刀医になるんだろうなーと 思っていた 場を仕切っていた お医者様が
「心拍停止で 入ってきてるんだから 早くしなさいっ」と 一瞬だけど 声を荒げた。
ちょちょちょっとーーーーーーーー!!
今 『心拍停止で 』って言わなかった???あーーーーー『心拍落ちてます!!』って助産婦さんが言っていたのは 【停止】していた時間があったって事????
アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。泣きそうになってきた。
でも いやいや 心落ち着けよう。
大きな病院の看護婦さんに「もしや 手術前に 一度も旦那さんに会えないんですか?」と聞いてみた。
「いえ 手術室に移動する前に 廊下でお会いになれますよ。旦那さんは すぐそこの廊下でお待ちになられていますよ」
随分前に読んだ さくらももこの【そういうふうにできている】と言う出産エッセイを読んだとき 帝王切開をする前 さくらももこ氏が「今まで 生きてきた中で 一番 死に近づいている気がした」と書いてあった気がしたけど まさしく 今の自分もそんな気分。
どうにか どうにか 手術前に 一目旦那さんの顔がみたいーーーーー。
思った以上に 手術前のチェックが長かったけど この倉庫のような広いところで 手術するんじゃないのね。そうか 手術室に移る余裕はあるって事か。そこまで 私は救急じゃないんだ。少しだけ ほっ。
何度も何度も ○川産婦人科の助産婦さんに 謝り お礼を言い ここで ピンクの助産婦さんとお別れをする。
さー これから手術。気をしっかり持たなくては。
私を載せた コロ付きベットは看護婦さんに押され 倉庫の様な広い部屋を出た。
部屋を出た途端 くるくると旦那さんを探すため首をあちこちに向けると 前方の椅子に座っていた旦那さんが私のベットを見つけて 立ち上がった。
旦那さんに「私は 大丈夫。頑張ってくるからね」そう言おうと思っていたけど 口を開くと 涙が出そうになるので 何も話すことが出来なかった。
旦那さんが 「頑張るんだよ」と言った言葉に ただ ただ 頷く事しか出来なかった。
旦那さんは 疲れからか 緊張からか 本当にかわいそうな位 真っ青な顔をしていた。あーーーーホント 申し訳ない。きっと 当事者の私より 旦那さんの方が 怖ろしい思いをしているに違いない。
頑張らねば。
コロ付きベットは 手術室に到着した。
麻酔の先生に これから 受ける麻酔についての説明をされる。説明を受けた 短時間の間で この先生 が気に入ってしまった。とてもやさしく 面白く テキパキとしている。救急で入った自分に 病院で馴染みのあるお医者さんや 看護婦さんに出会える事などないけれど どこかで 安心できるものを探していた。そして この麻酔の先生が 強張っていた私の心を解凍してくれた。すーーーーっと 頭がクリアになったような気がしてきた。
「お母さんは 落ち着いていて 素晴らしいですね。今は お母さんより 廊下のお父さんの方が緊張していますよ 頑張りましょうね。」
冷静になった頭で辺りを見回すと 白い看護婦さん達もとても やさしい。落ち着いてくると 今の時点で 全く考える必要のない 親父心までもが 顔を出す。
『ここの看護婦さん達ってば なんて美人さんが多いんでしょう。』
麻酔の先生に「手術はどれくらいで終わりますか?」と聞くと
「うちの先生は 早いですからね すぐに終わりますよ」と言われた。
そうか。。。。早いのか。。。。
私の 【たまごクラブ】調べによると 帝王切開の手術の時間は 約2時間と書いてあった気がする。陣痛で長時間苦しんだ後だったから 2時間なんて あっと言う間だなー などと考えていたら あれよ あれよと 手術は始まった。
局部麻酔の為 意識はしっかりある。
手術は 酒呑みの為 麻酔が効かないと思っていた私の予想を 嬉しく覆してくれた。 触られている感じ 引っ張られている感じはするものの 痛みは 全く感じられない。
麻酔の先生の予告通り 超猛スピードで 手術は終わってしまった。もしや 20分くらいで終わったんじゃなかろうか?
早すぎるーーーー 凄い!!(※後で 旦那さんに聞いたところ 手術は 40分くらいで終わったそうだ。)
「お母さん 赤ちゃん 出ますよー」
おぎゃー。
おぎゃー。
おぎゃー。
おぎゃー。
おぎゃー。
おぎゃー。
おぎゃー。
私の赤ちゃんの産声が聞こえた。
とにかく とにかく ただただ 泣いた。赤ちゃんの声が聞こえた途端 一気に 堪えていたものを 流しだしていいような気がして 声を出して 号泣した。
怖かった。怖かった。怖かった。怖かった。怖かった。怖かった。怖かった。怖かった。怖かった。
本当に 良かった。良かった。良かった。良かった。良かった。良かった。良かった。良かった。良かった。良かったよ――――――――――――――――――。
うわ―――――――――――――――――――――――――ん。
赤ちゃんは 私の体から 出た途端 二人の看護婦さんに どこかに 連れられてしまった。
麻酔の先生が 「赤ちゃん元気ですよ 女の子です 今 看護婦が 赤ちゃんの体を洗いに行ってます。洗った後 すぐに 赤ちゃんに機械を取り付けなくてはいけないんですが その前に お母さんに会っていただきますからね」と言った。
「先生。赤ちゃん、私の赤ちゃん 五体満足ですか?」
とにかく 焦ってそう聞いた。
先生は「そういう事は お母さんの自分の目で確かめてくださいね 今 すぐに 赤ちゃん来ますから。」
先生が 言い終わるか 終わらないかで 赤ちゃんは 私の前に姿を現した。
体全体を見、手のひらを見 指が5本、爪も生えてる。足の指が五本、爪も生えてる。耳もある 目もある 口もある 眉毛もある。大丈夫だ。
また ボロボロ涙が出てきた。もう 泣けて 泣けて 泣けた。
つわり苦しかった。途中出血 怖かった。ウォーキング、楽しんでやっていたけど 実は 辛いときも しばしばあった。カエル体操 面倒だった(笑)
でも でも でも でも 楽しかった。ポコポコポコポコ お腹を蹴るかわいい赤ちゃんが愛おしかった。
さようなら。私の妊娠生活。
そして
こんにちは。私と私の愛しい旦那様の赤ちゃん。









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